ファシリティマネジメント(ISO 41001)
ISO 41001の概要
ISO 41001は、現場レベルでのPDCAに加えて、組織全体の目標からファシリティ(組織体が使用する施設:建物、学校、病院、プラントなど、及び利用する人の環境:執務空間・居住空間、地域環境など)管理の目標・計画・実施からその評価・改善に至る組織全体のPDCAサイクル、及びそのサイクルを適切に回転させるための支援の仕組みを含めたシステム全体をまとめた国際規格です。
ISO 41001認証の取得メリットを次に示します。
➢ マネジメントの効率化・高度化
➢ マネジメントに関する説明責任とCSR強化
➢ ファシリティを利用する人々への貢献
➢ 国際競争力の強化
ISO 41001にでてくる代表的な用語について説明します。
用語の定義は、ISO 41011より抜粋しています。
- ファシリティ:組織のニーズに供するために、建設され、設置され、そして構築されたアセットの集合
ファシリティの主な例を表1に示します。 - ファシリティマネジメント方針:組織目的、組織目標に沿ったファシリティマネジメント分野での方針
- ファシリティマネジメント目標:ファシリティマネジメント方針に沿った具体的なファシリティマネジメント分野での目標
- ファシリティマネジメント計画:ファシリティマネジメント目標を達成するための、設備・施設の管理、設置、改築などの活動や資源の計画
表1.ファシリティの例
![]() 建物 | ![]() 学校 | ![]() 病院 | ![]() 図書館 |
![]() プラント | ![]() 居住空間 | ![]() オフィス空間 | ![]() 地域環境 |
ISO 41001の構成
ISO 41001の構成を表2及び図1に示します。
表2.ISO 41001の箇条とPDCAの構成
PDCA | ファシリティマネジメントシステムの運用手順 | 規格の箇条番号 |
---|---|---|
Plan | 組織ビジョンの確認 | 4.1、4.2 |
ファシリティマネジメント方針の策定 | 5.2 | |
ファシリティマネジメントシステム構築のための組織整備 | 5.1、5.3 | |
ファシリティマネジメントシステムの構築 | 4.3、4.4 | |
ファシリティマネジメント計画の策定 | 6.1、6.2 | |
支援要素整備 | 7.1、7.2、7.3、7.4、7.5.1、7.5.2、7.5.3、7.5.4、7.6 | |
Do | ファシリティマネジメント計画の実施 | 8.1、8.2、8.3 |
Check | パフォーマンス評価(プロセス) | 9.1 |
パフォーマンス評価(マネジメント) | 9.2、9.3 | |
Action | 改善 | 10.1、10.2、10.3 |

図1.ISO 41001におけるマネジメントシステムの構造
ISO 41001の普及状況(2019年09月17日現在)
JACO(株式会社 日本環境認証機構)でISO 41001認証を取得された組織(1組織)を表3に示します。
表3.日本におけるISO 41001認証取得組織
認証取得団体 | ファシリティと事業内容 |
---|---|
イオンディライト株式会社 IFMグローバル営業本部 IFM 営業推進部 | インテグレーテッド・ファシリティマネジメント |
図2.登録証授与式
![]() |
関連リンク:イオンディライト株式会社
https://www.aeondelight.co.jp/news/201809_fm%ef%bc%8diso-%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9.pdf
今後の展開
ファシリティマネジメントの普及拡大
日本の現在のISO 41001認証取得状況は、表3のとおり国内初の認証をイオンディライト様が2018年9月14日に取得されました。今後、国や各省庁において注目され始めたファシリティマネジメントが、ISO 41001:2018のJIS化と相まってこれからの日本で重要な役割を持っていくことが予想されます。
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株式会社日本環境認証機構
事業開発本部
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